製氷機とは?
コールドドリンクを提供したり保冷された状態で料理を提供したりなどと冷たいものを提供する飲食店には欠かせない製氷機。
今回はその製氷機についてご紹介をいたします。
また不要となり売却したい場合などに、どのような点が買取時の査定に影響するのかなどについても、併せてご紹介をいたします。
コールドドリンクを提供したり保冷された状態で料理を提供したりなどと冷たいものを提供する飲食店には欠かせない製氷機。
今回はその製氷機についてご紹介をいたします。
また不要となり売却したい場合などに、どのような点が買取時の査定に影響するのかなどについても、併せてご紹介をいたします。
製氷機とは、飲食店でのドリンクや低温の料理などを保冷するために欠かせない氷を生み出す厨房機器です。
基本的には氷のみを生産、保管する装置となっていますが、導入にあたっては多くの検討事項があります。
1日にどれだけの量の氷を生産できるかを表す数値です。
「40/45kg/日(50/60Hz)」のように表記されていて、左(40kg)が50Hzで右(45kg)が60Hzの電源周波数地域での生産量になっています。
設置されている部屋の室温や水道水の水温によっても影響されるため、前提となる室温と水温も併記されています。
製氷能力の目安として、一般的には「席数×1.5」製氷能力があるものを選ぶとよいとされていて、20席のお店であれば30kgになります。しかし業種によって異なるため、氷の使用量が多く想定される場合にはワンサイズ上の製氷機にしたほうがよいでしょう。
氷をどれだけストックできるかを表す数値です。ほとんどが製氷能力の半分程度の容量となっています。
最大までストックすると製氷がストップしてしまいます。特定の時間帯だけ氷の消費が激増して貯氷量をすべて使い切るような場合、1時間あたりに製氷可能な氷は製氷能力の24分の1なので、以降の氷の消費が間に合うか注意が必要です。
製氷機を冷やすために必要なコンデンサーを冷却するために、外気を取り込んで冷やす方式です。
設置の手間が電源と給排水の配管のみと少なく、イニシャルコストとランニングコストも低いため一番人気があります。
外気を取り込むため室温が高いとコンデンサーが冷えにくくなってしまいます。また取り込んだ空気は熱くなった状態で排出されるため部屋の換気が不十分な場合には室温が上昇し、さらにコンデンサーが冷えにくくなる悪循環が発生してしまうので換気には十分に注意する必要があります。
コンデンサーの冷却に水を使用する方式です。
空冷と比較して外気に左右されにくいため安定して製氷能力を維持することが可能ですが、冷却するために大量の水を用いるためにランニングコスト(水道料金)が高くなる、冷却用の水のための配管が必要となる、配管が湿気で腐食しやすくなるなどの欠点があります。
空冷と水冷の両方を使用する方式です。通常時は空冷で動作し、周囲の温度が高くなった場合にのみ水冷を併用してコンデンサーを冷却します。
空冷方式のみと比較して安定した製氷能力の維持が可能で、水冷方式のみと比較して低コストで運用することが可能ですが、その分本体価格が若干高価となります。
零度以下に冷却した製氷皿を下に向けた状態で、下から上に水を吹き付けて徐々に氷結させて氷を作る方式です。
普通の冷凍庫で製氷をする際には製氷皿に水を入れてそのまま凍らせますが、不純物も一緒に凍らせるために氷が白くなってしまいます。セル方式では水を吹き付ける際に不純物は凍らずに下に落ちてH2Oのみが凍るため、見た目は透明で味もクリアな氷ができます。
後述のキューブアイスはほとんどがセル方式で作成されています。
大きい板氷を作り格子状のカッティングヒーターで切断して角氷を作る方式です。
以前、キューブアイスはこの方式で作成されていましたが、現在ではほとんどがセル方式に置き換わっています。
円筒の内部にらせん状の氷削器がついた構造で、零度以下に冷却した円筒内部に水を満たして壁面に氷を作り、氷削器を回転させて氷を削りながら上方に運び、最後に圧縮して氷片を作成する方式です。
後述のフレークアイスとチップアイスはオーガ方式で作成されていて、圧縮の程度が硬いものがチップアイス、やわらかい物がフレークアイスとなります。
最も一般的な立方体の形状をした氷です。
およそ20-30mm程度のサイズで、立方体だけでなく直方体、円柱、レンズ状などもこちらに分類されています。
硬くて溶けるまでの時間が長いため、冷たい状態のドリンクの冷気保持に向いています。冷蔵庫の中身が埋まってしまって入らない瓶ビールなどを冷やしておく場合などにも使用できます。
キューブアイスはほとんどがセル方式にて作成されています。
名前の通りキューブアイスの半分程度となる10-20mm程度のサイズをした氷です。
小さいサイズのため女性やお子様のご来店が多いお店での使用に適しています。
ハーフキューブアイスもキューブアイス同様にほとんどがセル方式にて作成されています。
小さな粒状の氷が軽く固められた状態のもので、掴むと雪のようにサラサラとしています。
10-15mm程度のサイズで作られますが、性質上すぐにくずれてしまうため不定形です。
製氷コストが安いのでアイスベッドとしてスーパーの鮮魚売り場や魚介類を扱うお店の陳列スペースでの展示用、トロ箱での保存用など多くの用途に使用されています。
フレークアイスはほとんどがオーガ方式にて作成されています。
フレークアイスをさらに圧縮して硬く固められた氷です。
10-15mm程度のサイズで扇状の形状をしています。
表面積が大きいため溶けやすく急速に冷却するのに適していて、マクドナルドやケンタッキーフライドチキンなどのファーストフード店で提供されるドリンクの氷によく使われています。
チップアイスはほとんどがオーガ方式にて作成されています。
キューブアイスをクラッシャーで砕いて細かくした氷です。
5-20mm程度の不定形サイズで使用用途はチップアイスとほぼ同様ですが、製氷方式が異なるためこちらのほうが透明に近い氷となっています。
星型(スターライト)、ハート型(ハートフル)、ゴルフボールサイズの球型(ホールイン)、三日月型(クレセント)などの見た目を楽しませるための形状や、かき氷を作るために使用するブロックアイス、削って丸氷などを作るための8cm程の大き目サイズのキューブアイスなどもあります。
高さが800mm程度でカウンターの下に配置できるタイプの製氷機です。
天板が作業台として使用できるため厨房内スペースの節約にもなり、一般的に厨房が狭いことの多い飲食店ではとても人気があります。
ただし高さが低く氷を取り出すときには屈む必要があるため、腰に負担がかかりやすいのが難点です。
縦型タイプの製氷機で前述のアンダーカウンタータイプと比較して製氷量が多いため、大量に氷を使う飲食店に向いています。
背が高く貯氷部分が丁度良い高さにあり、氷を取る際には腰を曲げずに使用できるので身体への負担が少ないです。
キューブアイス以外の形状には対応していないことが多いです。
ストッカー(貯氷庫)と製氷ユニットが別々となっていて、ストッカーの上に製氷ユニットまたはストッカーを積み重ねて増設することが可能なタイプの製氷機です。
客入りが多くなってコールドドリンクの量が増える、メニューの変更で氷の使用量が増えるなどの場合に増設をすることで対応できるのが特徴です。また、製氷ユニットをキューブアイスとチップアイスにするなど別々の氷の形状にも対応可能です。
クラッシャーが増設可能なものもあり、キューブアイスを砕いてクラッシュアイスにすることも可能です。
ドアを手前に引くのではなく縦か横にスライドして開けるタイプの製氷機です。
開閉にスペースを取らないため導線が狭く人がすれ違うのも大変な厨房では重宝されています。
卓上に置くタイプの小さいサイズの製氷機です。
厨房内に製氷機を床に設置するスペースのないお店で愛用されていて、カウンターや作業台の上に置いてあります。
卓上に置けるぐらいの小さいサイズのため、製氷能力や貯氷量は低いです。
通常の業務用冷蔵庫と同様で、以下の記事でご紹介をしています。
ただしアンダーカウンタータイプの製氷機はコンデンサーが床に近い位置に設置されていて床のほこりや油汚れが付きやすくなっているため、コンデンサーのフィルターは1週間に1度は掃除することをお勧めします。
通常の業務用冷蔵庫と同様で、以下の記事でご紹介をしています。
飲み物や食材の保冷には欠かせない製氷機についてご紹介をいたしました。本記事がこれから製氷機を購入する方などへのご参考になれば幸いです。
また、ミツギ厨機では中古厨房機器の買取を随時おこなっておりますので、売却をご検討の方はお気軽にお問い合わせくださいませ。
ミツギ厨機現代表。中古厨房機器の買取や販売に以上に亘って携わっており、その中で培ってきた知識や経験に基づいた厨房機器に関するお役立ち情報を発信してまいります。