冷凍ストッカーとは?
飲食店ではメニュー数をある程度準備しておきたいところですが、必要な食材の種類も増えることとなり、冷蔵冷凍庫だけでは容量が足りずに別に食材の保管場所が必要になってきます。そのような場合にとても重宝されるのが冷凍ストッカーです。
今回はその冷凍ストッカーについてご紹介をいたします。
また不要となり売却したい場合などに、どのような点が買取時の査定に影響するのかなどについても、併せてご紹介をいたします。
飲食店ではメニュー数をある程度準備しておきたいところですが、必要な食材の種類も増えることとなり、冷蔵冷凍庫だけでは容量が足りずに別に食材の保管場所が必要になってきます。そのような場合にとても重宝されるのが冷凍ストッカーです。
今回はその冷凍ストッカーについてご紹介をいたします。
また不要となり売却したい場合などに、どのような点が買取時の査定に影響するのかなどについても、併せてご紹介をいたします。
冷凍ストッカーは内部を-20℃以下の低温で食材などを入れておくことのできる保管庫です。仕込み作業が完了した食材を大量に保管しておき、お客様への提供時に取り出して使うことで提供時間を短縮するなどの使い方もできて大変便利です。
代表的なメーカーとしては「パナソニック」、「サンデン」、「ダイレイ」、「レマコム」などが挙げられます。
庫外にある冷却器で発生させた冷気をファンを使って庫内に冷風を循環させて冷却する「空冷式」が主となる冷蔵冷凍庫とは異なり、冷凍ストッカーでは庫内にある冷却器でそのまま冷却する「直冷式」が主となっています。
直冷式は庫内が無風となるため中の食材の水分が奪われずに乾燥しづらく、冷凍ストッカーが長期保存に向いている理由の一つとなります。
また、冷風を循環させる必要がないことから庫内の風の通り道を考える必要もなく、庫内に隙間なく食材を詰め込んでも冷えが悪くならないため庫内容量を最大限に使うことができます。
冷却器がストッカーの壁内に埋め込まれていて、内壁側(庫内)の熱を奪って外壁側(庫外)に放出するので、庫内の冷えが悪い状況では本体表面は50℃以上なることもあり知らずに触れるとびっくりするかもしれません。
次に冷凍ストッカーの分類についてご紹介していきましょう。
ドアが本体上部にあり、手前側を持ち上げて開閉するタイプの冷凍ストッカーです。
ドア数は通常は1枚扉となっていますが、2枚になっているタイプもあります。
サイズが一番豊富なタイプで、小型から大型のものまで希望の容量が手に入りやすいです。
ドアが金属またはプラスチック製で中に断熱材が入っていて頑丈なつくりとなっており、頻繁に開閉してハードに使用されることの多い業態ではこのタイプが好まれていて、飲食店でも多く使用されています。
開口部が広いため、庫内の隅まで手が届きやすい、大きな食材でも収納がしやすい、庫内に無駄なく詰め込めるなどの使いやすさが最大のメリットです。また購入金額が後述するスライドドアタイプよりも比較的安価なのがうれしいところです。
食材を上に積み重ねて収納していくと下にあった食材が取り出しづらくなることが若干のデメリットとなります。
ドアが本体上部にあり、スライドして開閉するタイプの冷凍ストッカーです。スライドするドアは2枚もしくは3枚のものがあります。
ストッカーの設置場所のすぐ上に障害物があってチェストタイプではドアを全開にできない場合にはこちらが適しています。
またサイズが小型のものが多く、カウンター下への設置や運用が容易なため、スペースに余裕のない厨房に向いたタイプと言えます。
ドアがプラスチック製であるものが多いですが、アクリル製や強化ガラス製などの透明で内部が視認可能なタイプもあり、こちらはスーパーなどの売り場で冷凍された食品の展示販売用に多く使用されています。
チェストタイプと比較して高価であるものが多く、ドアの耐久性も低く割れやすくなっているためドアの上に物を置かないようにするなど注意が必要となります。
食材を上に積み重ねて収納するため、下に収納した食材が取りづらくなるのはチェストタイプと同様です。
ドアが前開きとなっているタイプの冷凍ストッカーで、庫内の収納はタンスの様に引き出し状のトレーになっているものが多いです。
前述の2タイプと異なりトレー毎に食材を分けて保存することが可能となっているので、庫内の整理がしやすく特定の食材を取り出しやすくなっている点が最大のメリットですが、
などデメリットが少し多く挙げられます。
検食用(※)として老人ホーム、保育園、幼稚園等の施設で使用されることもあり、料理をトレーで日付別に分けて保存するなど管理がしやすいです。
一般的な冷凍ストッカーの庫内温度は-20℃前後となっています。
食品衛生法では-15℃以下での保存、業界の自主基準や国際基準では-18℃以下での保存が要件として定められていてこれを十分に満たしていますが、それでも食品の劣化を完全に防ぐことはできません。
そのため、微生物が繁殖せず食材の酸化なども防止する-60℃以下の超低温で保存が可能な機種もあり、超低温の冷凍ストッカーでは食材を1年以上の長期保存をした後でもほとんど劣化しません。食材が安いときに大量に仕入れて保存しておくことで経済的なメリットを生むこともでき、マグロ、伊勢海老、和牛などの高級食材を扱う飲食店や卸売業者には超低温の冷凍ストッカーはなくてはならない存在になっています。
超低温の冷凍ストッカーとしてはダイレイのスーパーフリーザーが有名どころです。
大型の冷凍ストッカーはスペースの限られた厨房では邪魔になることが多いため、バックヤードや従業員の休憩スペースなどの調理の邪魔にならない場所に置かれていることが多いです。
小型の冷凍ストッカーは場所をあまりとらないため比較的自由に配置可能です。刺身や肉は半解凍の状態のほうが切りやすいとの理由で板場のすぐ横に置かれている場合もあります。
冷凍ストッカーはあくまでも既に冷凍してあるものを保存する製品のため、冷凍状態にないものを入れてしまうのは好ましくありません。製氷機代わりに水を入れて凍らせるのも良くないです。凍っていない状態のものを入れると庫内温度が上昇してしまい、温度を下げるために冷却器が急稼働することとなり、結果として製品寿命を縮めてしまうこととなるので控えましょう。
冷凍ストッカーで一般的な冷却方式となる「直冷式」では庫内に付着した霜を溶かす霜取り機能は付いていません。お手入れをせず霜が大きくなってしまった場合にアイスピックなどの先の尖ったもので取ろうとしがちですが、先端が内壁を貫通して冷媒の配管に穴を空けてしまう可能性があるため絶対にやめましょう。
建物内に設置場所がないからと建物外に置かれる場合がありますがこちらも好ましくありません。雨が降った際に湿気が機械の部分を腐食させてしまうので、可能な限り建物内に設置しましょう。
メーカーの修理担当者から聞いた話によると、つい半年前に購入された冷凍ストッカーの調子が悪いと連絡を受けて現場に向かったところ、真夏の炎天下の中、海水浴場の砂浜に屋根もない状態で置かれて使われていたことがあったそうです。このような過酷な条件下での使用はメーカーも想定していないのでいつ壊れてもおかしくありません。
せっかく購入した冷凍ストッカーはやはり長く使い続けたいところ。お手入れをすることで部品にかかる負荷が減り機械が長持ちしますので、そのポイントをご紹介いたします。
霜が付き始めの比較的柔らかいうちに付属のヘラ等で取るようにしましょう。付属していない場合などには庫内を傷つけない樹脂製のヘラなどを使用してください。
1週間に2回程実施することをお勧めいたしますが、冷凍ストッカーの置き場所や時期によって霜の付き具合が異なるため、冷凍ストッカーを使用する際に様子を見て確認するのが良いでしょう。
ドアパッキンは本体とドアの隙間を塞ぐ役目を担っていますが、劣化することで隙間ができて温かい外気が流れ込み庫内の温度が上昇してしまいます。定期的に清掃して劣化を防ぎましょう。
年式が古いとそれに応じて買取価格は下がっていき、弊社では製造から7年までを買取可能な年式としております。
ドアのゴムパッキンが切れていると減額のポイントになります。パッキンが切れたとこから外気が入り込んで庫内が冷えづらくなり、またそれを交換するのにも費用がかかるためです。
庫内に小さい穴が多数あいていると大きな減額のポイントになります。「1.4. 使用上の注意」でも挙げたように、霜取りの際にアイスピックなど壁に穴をあけて冷却器が傷付き、庫内が冷えづらくなっている可能性があるためです。
大量の食材を保存するのに欠かせない冷凍ストッカーについてご紹介をいたしました。本記事がこれから冷凍ストッカーを購入する方などへのご参考になれば幸いです。
また、ミツギ厨機では中古厨房機器の買取を随時おこなっておりますので、売却をご検討の方はお気軽にお問い合わせくださいませ。
ミツギ厨機現代表。中古厨房機器の買取や販売に以上に亘って携わっており、その中で培ってきた知識や経験に基づいた厨房機器に関するお役立ち情報を発信してまいります。